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キヤノン電子やIHI系が出資するロケット開発会社が専用ロケット発射場の起工式を行い、本格始動した。宇宙ビジネス市場は100兆円以上に成長するといわれているが、日本は米国に比べて民間の参入が遅れていた。多くの企業連合が動き出したもののビジネスとして成立するかは不透明で、コスト競争力が問われそうだ。

 「日本の民間宇宙ビジネスにとって大きな一歩だ」。キヤノンの御手洗冨士夫会長兼CEO(最高経営責任者)は、和歌山県串本町で開かれたロケット発射場起工式の祝賀会で声高らかに話した。

 2021年夏までの完成を目指す発射場を建設するのは、キヤノン電子やIHIエアロスペース、清水建設、日本政策投資銀行の4社が出資するスペースワン(東京・港)。衛星打ち上げサービスの提供を狙い、開発中のロケットの21年中の打ち上げを計画する。

 米ゴールドマン・サックスは宇宙ビジネスの市場規模が40年代には1兆ドル(約109兆円)以上になると予測する。日本でも人工衛星の打ち上げなどに政府の許認可を義務付ける「宇宙活動法」が18年に施行。発射場の整備も含め、民間によるビジネス推進の環境が整いつつある。川崎重工業が東京海上日動火災保険や三井物産と宇宙ゴミ除去の事業化で協業すると11月18日に発表したほか、インターステラテクノロジズやアストロスケールなどスタートアップ企業も出てきている。

 ただ現時点では米国勢が先を行く。米ロケットラボは9回の小型ロケット打ち上げに成功しているほか、イーロン・マスク氏が率いるスペースXはロケットの再利用技術を確立しつつある。