京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長が進めてきたiPS細胞の備蓄事業が窮地に立たされている。10年計画で進めるプロジェクトへの支援縮小を政府が検討していると伝わり、反発を強める山中所長。ノーベル賞を受賞した山中所長のiPS細胞に何が起きているのか。

政府に疑問を呈する山中伸弥氏(右)。京都大iPS細胞研究所でiPS細胞を作製してきた(写真=右:つのだよしお/アフロ、左:共同通信)

 11月11日に日本記者クラブで行われた会見で、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長が苦渋の表情で語った。「(予算を)突然ゼロにするというのは理不尽だ」

 対象の事業は、再生医療に用いるiPS細胞を事前に作製して保管するもの。iPS細胞は様々な細胞に分化する能力を持った細胞で、目的の細胞に分化させて疾患などの部位に移植することで治療に役立てられると期待されている。ただ、患者自身の細胞からiPS細胞を作るには時間もお金もかかる。再生医療で使うには、事前に移植用のiPS細胞を作製し、蓄えておくと便利だ。そこで立ち上がったのが備蓄事業だ。

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