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対話アプリ大手LINEとの経営統合を決めたネット検索サービスの「ヤフー」。統合会社は国内のネット市場で圧倒的な存在感を見せつけることになるが、ここで気になるのは楽天の動きだ。実は楽天は米ヤフーの中核事業買収に食指を動かしていた。その判断が今、問われている。

楽天の三木谷浩史会長兼社長(右)は事業売却に動いた米ヤフーをめぐり、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(左)と久々に連絡を取った(写真=左:森田直樹/アフロ、右:つのだよしお/アフロ)

 検索サービス「ヤフー」を手掛けるZホールディングスとLINEが決めた経営統合。「ヤフーとLINEが統合すれば、正面から対抗できる国内企業は楽天しか残されていない」(独立系ベンチャーキャピタル)。ネット通販から金融サービスまで幅広い事業を手掛ける楽天の次の一手は何か。業界内で注目が集まる中で、当の楽天が致命的な事故を起こした。

 11月23日から「楽天カード」と「楽天ペイ」という、楽天にとって主力となるキャッシュレス決済サービスが障害で利用できない状況に陥ったのだ。すぐに復旧されたと思いきや、同25日にも再び障害が発生。楽天会員から不満を買った。

 九州電力の通信子会社のQTnet(福岡市)が運営するデータセンターでサーバーへの電力供給が一時遮断されたのが主因だが、信頼感が何より重視されるのが金融事業だ。「顧客の支持を得ているときに障害を起こして迷惑をかけた」。楽天ペイメント(東京・世田谷)の中村晃一社長はこう反省を口にする。