東芝は11月13日、上場子会社3社を総額2000億円で完全子会社化すると発表した。親子上場を解消しガバナンス(企業統治)向上や利益の取り込みを目指す考え。ただし、成長戦略のカギを握る東芝テックは対象外。資本政策は不明確なままだ。

(写真=つのだよしお/アフロ)
(写真=つのだよしお/アフロ)

 「経営戦略との整合性が感じられない」。複数のアナリストは、東芝が発表した資本政策に疑問の声を上げる。

 東芝は11月13日、上場子会社3社をTOB(株式公開買い付け)で完全子会社にすると発表した。対象は発電プラントの東芝プラントシステム、半導体製造装置のニューフレアテクノロジー、船舶用電機システムの西芝電機。12月25日までに総額約2000億円を投じ、完全子会社化を目指す。TOBが成立すれば、3社は上場廃止になる。

東芝テックは取り込まず
●東芝が発表した完全子会社化の概要
東芝テックは取り込まず<br><small>●東芝が発表した完全子会社化の概要</small>
カッコ内は東芝グループの出資比率。東芝テックは9月30日時点、その他は11月13日時点。
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 東芝の車谷暢昭会長兼CEO(最高経営責任者、写真)は狙いを「上場子会社はコーポレートガバナンス(企業統治)上、問題だった」と説明。1株当たり利益(EPS)が大幅に改善できるため、「自社株買いよりも投資効果が高い」という利点も強調した。

 確かに親子上場は少数株主との利益相反が起きやすく、海外を中心に投資家の目は厳しくなっている。今回の完全子会社化は、一定の理解を得られている。ただ、不可解なのが上場子会社で残るPOS(販売時点情報管理)レジ大手の東芝テックの扱いだ。

 「資本政策についてはコメントできないが、取り込まなくてもテックの重要性は変わらない」。TOB発表翌日に開いたIR(投資家向け広報)説明会。東芝でCDO(最高デジタル責任者)を務める島田太郎執行役常務は東芝テックについて歯切れが悪かった。

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