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「ヤフー」を展開するZホールディングス(HD)とLINEが11月18日、経営統合で基本合意したと発表した。キャッシュレス決済など多くのサービスを抱え、1億人規模の個人データを持つ国内最大のIT企業が誕生する。だが、世界で巨大IT企業のプラットフォーマー規制が進む。対価に見合うシナジーを発揮できるかは不透明だ。

統合会見を開いたZホールディングスの川邊健太郎社長CEO(左)とLINEの出澤剛社長CEO(写真=的野 弘路)

 「米中の巨大プラットフォーマーに続く第三極になりたい」。11月18日、LINEとの経営統合を発表したZホールディングス(HD)の川邊健太郎社長CEO(最高経営責任者)はこう抱負を語った。両社は12月中にも法的拘束力のある合意書を締結し、2020年10月までの統合を目指す。

 統合のスキームはやや複雑だ。まずは上場するLINEをソフトバンク(SB)と韓国のネイバーがTOB(株式公開買い付け)を通じて上場廃止にする。SBとネイバーが50%ずつ出資する合弁会社を設立し、ZHDの親会社となる。ZHDは上場を維持しつつ、その下にヤフーやLINEがぶら下がる形だ。

ZHDは上場維持し2社を下に置く
●ヤフーとLINEの統合後イメージ

 統合スキームについて、祝田法律事務所の西岡祐介弁護士は「経済産業省が今年6月に『公正なM&Aの在り方に関する指針』を出しており、まさにそのガイドラインにのっとっている」とみる。ZHDの株主にはSBとネイバーの合弁会社だけでなく、少数株主も名を連ねられるようにしており、「公平性を高める努力がうかがえる」(西岡弁護士)という。