花王が同社で初となる美容家電を発表した。コーセーもカシオ計算機と共同でネイルプリンターの開発を急ぐ。インバウンドの需要で化粧品メーカーの業績は堅調だ。だが、特需がいつまで続くのかは見えない。念頭にあるのは消耗品で稼ぐ継続販売ビジネス。機器は高機能のようだが遅れてきた事業モデルは奏功するのか。

<span class="fontBold">花王の製品はパナソニックと共同開発した機器で化粧液を噴射する</span>
花王の製品はパナソニックと共同開発した機器で化粧液を噴射する

 花王が11⽉1⽇に発表した美容家電は化粧品メーカーの枠を超えた異例のものと業界で受け止められた。「ファインファイバー」と呼ぶ独自の技術を使い、機器から化粧液を噴射すると直径1000分の1mm以下の繊維状になって肌に付着。指で肌になじませれば数分で⾃然な膜を形成するという。

 極薄膜と美容液の効果により肌の湿潤を持続させるとしており、専門家からは「独創性」を評価する意見が出ている。富士経済の鶴見静香研究員は「技術的に模倣がしにくく、他社による追随は難しいのではないか」と話す。花王は12⽉4⽇に東名阪の百貨店などで、2020年1⽉に中国向け越境ECサイトで、それぞれ発売する。

 税抜き価格5万円の噴射機器はパナソニックと共同開発した。ただ機器販売は収益源ではないようだ。専⽤化粧液は45回分で8000円、化粧⽔を塗布する前に使う美容液は90回分で1万2000円。ハードの販売後に化粧品を「消耗品」として繰り返し売ろうとしている。リクルートライフスタイル・ホットペッパービューティーアカデミーの田中公子研究員は「プリンターやネスカフェのコーヒーマシンと同じ原理。機器の購入から顧客の取り込みを狙っているのだろう」と話す。

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