フィンテックベンチャーが、証券業務のインフラを裏方として管理・運用するプラットフォームを立ち上げた。このサービスを利用すれば、証券会社として登録していない企業でも、株式や投資信託を取り扱える。小売業のポイントサービスなどとの連携が容易になることで、投資の裾野拡大につながる可能性もある。

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「セゾンポケット」は、バースを活用したサービスの第1弾となる

 航空会社のマイレージサービス、ホテルや小売業のポイントプログラムを使って株式や投資信託を購入できる──。そんなサービスが当たり前になるかもしれない。

 クレジットカード会社のクレディセゾンは、11月12日から自社カード会員向けに、新しいスマホ証券サービス「セゾンポケット」を始めた。カード決済で投信や株式の購入、積み立てができるほか、カード決済時に付与される「永久不滅ポイント」も投資金に充てられる。本来、投信や株式を扱うには、「金融商品取引業者」として金融庁に登録する必要がある。だが、クレディセゾンはそうではない。今回のサービスが可能なのは、「BaaS(バース)」と呼ばれるシステムを外部の証券会社が提供する形をとったからだ。

 開発したのは、2013年創業のフィンテックベンチャー、フィナテキストホールディングス(東京・千代田)傘下の証券会社、スマートプラス。バースとは証券インフラをインターネット上で管理・運用する証券プラットフォームのことで、「Brokerage as a Service」の略称だ。

 同社は取引所に顧客からの注文などを取り次いで約定させたり、資金を決済したりするバックシステムを丸ごとパッケージ化し外部企業に提供する。第1号となったクレディセゾンのように証券サービスを始めたい企業は、サービスへの誘導や商品企画といった、顧客と接する部分の仕組みを用意すれば、後は裏方であるバースにつなぐだけで投資サービスの提供が可能となる。

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