任天堂が、中国当局から家庭用ゲーム機向けソフトの販売を認められた。日米欧に続く巨大な市場を攻略する糸口をつかんだ格好で、任天堂に対する投資家の期待も高まる。もっとも、ゲーム専用機が中国で成功すれば、任天堂の積年の課題の解消が遠のきかねない。

<span class="fontBold">9月に発売した「ニンテンドースイッチライト」の出足は好調だ</span>(写真=共同通信)
9月に発売した「ニンテンドースイッチライト」の出足は好調だ(写真=共同通信)

 中国でゲーム販売などを審査する当局が10月29日、任天堂の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」のソフト「NewスーパーマリオブラザーズUデラックス」について販売を承認する通知を公表した。任天堂は今年5月、中国ネット大手の騰訊控股(テンセント)と組み、スイッチを同国で販売する計画を表明していた。

 日米欧が主戦場の任天堂にとって、中国市場の開拓は悲願。同31日に開いた2019年4~9月期決算発表会見で、中国での承認通知について問われた任天堂の古川俊太郎社長は「順調に推移している」と説明したが、このとき、表情が緩んだのは、巨大市場に対する期待の表れかもしれない。

 スイッチの販売が伸びていることもあって、足元の業績は絶好調だ。4~9月期の連結営業利益は前年同期比53%増の942億円。9月に発売した携帯専用の「ニンテンドースイッチライト」も出足は好調。上期のスイッチ全体の販売台数は同37%増の693万台と大きく伸びている。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り635文字 / 全文1175文字

【春割/2カ月無料】お申し込みで

人気コラム、特集記事…すべて読み放題

ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。