台風19号など一連の豪雨災害を受け、政府・与党は復旧支援を柱とする2019年度補正予算案の検討に入った。与党内ではこれに合わせ、防災や減災など「国土強靱化」対策の拡充や延長を求める声が強まっている。歳出圧力が高まる中、財務省は公共事業費の一方的拡大に否定的。与党との綱引きが激化しそうだ。

<span class="fontBold">台風19号による千曲川の堤防決壊現場を視察する安倍首相。インフラ強化と財政再建の両立は難題だ</span>(写真=共同通信)
台風19号による千曲川の堤防決壊現場を視察する安倍首相。インフラ強化と財政再建の両立は難題だ(写真=共同通信)

 「引き続き被災者の厳しい状況に思いを致し、生活再建、なりわいの再建に向けて全力を尽くしてほしい」

 台風19号の上陸から約2週間となる10月25日、再び千葉県や福島県などを襲った記録的大雨。翌26日の非常災害対策本部の会議で、安倍晋三首相は関係閣僚に改めて迅速な対応を指示した。

 度重なる河川氾濫や土砂災害に対し、政府・与党はまず被災者の生活や中小事業者、農林漁業者への支援を急ぐ構えだ。2019年度予算の5000億円の予備費などを充て、被災企業がグループを作り国から再建資金の一部を得る「グループ補助金」の活用や、農林漁業者の事業再開支援などのメニューを用意する。その後は河川の堤防復旧費などを盛り込んだ19年度補正予算案を編成。20年度当初予算案と合わせ、万全の財政措置を取る考えだ。

 「想定外」の災害が相次ぎ政権が一連の対応に追われる中、ここにきて焦点に浮上してきたのが20年度までの「防災・減災、国土強靱化のための3カ年緊急対策」を拡充するか否かだ。

 18年の西日本豪雨などを受け、政府は18~20年度までの3年間で堤防強化や自家発電設備の導入など総事業費7兆円規模の事業に取り組むとする緊急対策を決めた。

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