経営の混乱から資金繰りへの不安が浮上していた米ウィーカンパニーにソフトバンクグループが支援を決めた。約1兆円もの追加支援のほか、孫正義会長の「右腕」を再建役として送り込む。背水の陣で立て直しに臨むが、今後の展開によっては、格下げリスクなども背負うことになりかねない。

<span class="fontBold">SBGはウィーワークへの1兆円の支援とマルセロ・クラウレ副社長(右下)の“登板”を決定した</span>(写真=左上:ロイター/アフロ、右下:AP/アフロ)
SBGはウィーワークへの1兆円の支援とマルセロ・クラウレ副社長(右下)の“登板”を決定した(写真=左上:ロイター/アフロ、右下:AP/アフロ)

 「株式も負債も丸抱えするやり方は、それだけ資金繰りの確保に緊急性を要しているということだろう」

 大和証券の大橋俊安チーフクレジットアナリストがこう指摘するのは、経営の混乱から先行きが危ぶまれていたシェアオフィス大手、米ウィーカンパニー(ウィー)に対するソフトバンクグループ(SBG)の金融支援策についてだ。

 世界29カ国・地域でシェアオフィス「ウィーワーク」を展開するウィーは、創業者によるずさんな経営が明らかになり、今秋予定のIPO(新規株式公開)を撤回。資金繰りも不安視されていた。

 そのウィーに積極的な投資をしてきたのがSBGだ。同社が中核となる投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」と合わせ、100億ドル超を投じてきた。

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