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サッポロビールが業界に先駆け、ビール類の賞味期限延長と製造時期の年月表示化に踏み切る。トップシェアのアサヒビールを中心に「鮮度競争」を繰り広げてきたビール業界。4番手のサッポロは環境配慮と経営効率化を狙う戦略に転換するが、消費者はどう反応するだろうか。

 サッポロビールは10月8日、来年3月以降に製造するビール類の缶・瓶製品の賞味期限を現在の9カ月から12カ月に延長すると発表した。製品の仕様は変更していない。品質が長持ちする独自開発の大麦を2011年に採用するなど改良を重ねてきた。「2年ほどかけて品質の経時変化を検証し、延長しても問題ないことを確認した」(同社)という。「年・月・上中下旬」で表示してきた製造時期も「年・月」のみに改める。

サッポロビールは来年3月以降に製造する商品で賞味期限を延長し、製造時期の表示も「年月旬」から「年月」へと切り替える

 10月1日に施行した食品ロス削減推進法で、廃棄される食品の削減に積極的に取り組むことが「事業者の責務」と明記されたことを受け、業界に先駆けて実施に踏み切った。

 食べられるのに廃棄される食品ロスは国内で年間約643万トン(16年度推計)で国民1人当たり約51kgに達する。食品ロス削減の取り組みは広がっており味の素は賞味期限が1年以上の家庭用主要製品を年月日表示から年月に切り替えた。キユーピーも一部商品で賞味期限を延長し、年月に移行している。

 ただ、シェア争いが激しいビール業界で、消費者の多くが気に掛ける「鮮度」の訴求を緩めるのは賭けでもある。