日本製鉄が完全子会社の日鉄日新製鋼を2020年4月に吸収合併すると発表した。今年1月に完全子会社にしたばかりでの吸収合併。背景には激変する経営環境に対する危機感がある。今回の合併は過剰な生産能力を削減する「聖域なき生産再編」の号砲となるだろうか。

<span class="fontBold">生産体制の再編が課題(写真は日鉄日新製鋼の呉製鉄所)</span>
生産体制の再編が課題(写真は日鉄日新製鋼の呉製鉄所)

 「いつかはこうなると思っていたが……」。日本製鉄が10月3日、2020年4月に日鉄日新製鋼を吸収合併すると発表したのを受け、日鉄日新製鋼の社員は驚いた様子でこう話した。

 日鉄が旧日新製鋼を子会社化したのは17年3月のこと。今年1月には完全子会社化したが、当初は会社として旧日新製鋼を残す予定だった。

 なぜ、このタイミングでの吸収合併なのか。日鉄幹部は「鉄鋼を取り巻く環境が急変しており、それに対応するため一体運営の強化を優先した」と明かす。

 確かに好景気や都市の再開発などに支えられて堅調だった国内の鋼材需要は、米中貿易摩擦や世界経済の見通し悪化懸念から減退。新興国での自動車販売の不振もあって海外市況も軟調だ。

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