日米の貿易交渉が閣僚級協議の開始から半年足らずでスピード決着した。牛肉・豚肉の関税削減を急ぐ米国と、日本車への追加関税回避を狙う日本との思惑が一致した。日本政府や関係者から安堵の声が漏れるが、2020年春以降の「第2ラウンド」は視界不良だ。

<span class="fontBold">関税問題中心の第1段階の交渉は双方が歩み寄ったが……</span>(写真=AP/アフロ)
関税問題中心の第1段階の交渉は双方が歩み寄ったが……(写真=AP/アフロ)

 「みんなうれしいだろう。(日本の輸入で)多くのカネが入ってくるぞ」

 9月25日、ニューヨークで開かれた日米首脳会談。トランプ米大統領はわざわざ会場に招いた米農業団体幹部らを前に今回の日米貿易交渉の成果を強調してみせた。

 トランプ政権が最重視したのが農産品分野の早期の成果だ。TPP(環太平洋経済連携協定)や日EU(欧州連合)のEPA(経済連携協定)締結国からの日本向け牛肉・豚肉は既に関税が下がっており、対日輸出の競争力低下に直面する米畜産業者から不満の声が噴出していた。来年の大統領選に向け、支持基盤の農家へのアピールを急ぐ必要に迫られていたのだ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り994文字 / 全文1397文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、11年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。