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サウジアラビアで9月14日に起きた石油施設への攻撃を受け、原油価格は一時、記録的な上げ幅となった。だが、その後はすぐに市場は冷静さを取り戻した。石油危機や湾岸戦争の経験から、各国で進む備蓄など原油を取り巻く環境の変化が背景にある。

サウジアラビアの石油施設攻撃で原油市場に動揺が広がった(写真=左:UPI/アフロ、背景:ロイター/アフロ)

 何者かによる石油施設への攻撃で、日量にして570万バレルの石油生産量を失ったサウジアラビア。これは同国の生産量のおよそ半分で、世界の石油供給量の5%以上に当たる。ダメージの大きさは、日量約400万バレルが減少した1991年の湾岸戦争や同約600万バレルがゼロになった第2次石油危機に匹敵する。

 世界最大級の産油国への攻撃とあって、市場は即座に反応した。週明け9月16日の北海ブレント原油先物は一時、前週末の13日終値に比べ11.73ドル高い1バレル71.95ドルまで上昇。19%の上げ幅で、日中の上昇率としては湾岸戦争が始まる直前の91年1月以来の大きさとなった。

 だが、その後は60ドル台前半に下落し、市場は落ち着きを取り戻す。17日夜(日本時間18日未明)、サウジのエネルギー相が9月末には攻撃前の供給体制に戻ると表明したことだけが理由ではない。2度の石油危機や湾岸戦争といった過去の教訓が生きている。