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欧州最大の家電見本市で長年、「主役」を張っていた韓国サムスン電子が、今年は控えめな演出に終始した。代わりに存在感を高めたのが中国勢。スマートフォンやテレビの新製品を積極的にアピールした。両製品で世界シェア首位を維持してきたサムスンの地位が揺らいでいる。

新製品の展示が少なかったIFAのサムスン電子ブース

 9月6日に独ベルリンで一般公開が始まった欧州最大の家電見本市「IFA」。これまで最大のブースを構え、本社幹部が派手な演出で新商品を発表して注目を浴びてきた韓国サムスン電子の存在感がかすんでいた。今年は欧州現地法人幹部が講演したくらいで、新製品の実物を持ち出すこともなかった。10年以上連続でIFAに参加している日本企業の幹部は、「事業の立て直しが急務で、さすがに今は余裕がないのではないか」と話す。

 確かにサムスンの業績はさえない。2019年4~6月期の営業利益は前年同期比56%減の6兆6000億ウォン(約6000億円)。主力の半導体事業が前年同期と比べて71%落ち込んだことが響いた。米中貿易摩擦の余波で、サーバーなどにデータを保管するDRAMの需要が急減、価格が急落したことが大きい。

 さらに、サムスンにとって気がかりなのは、世界シェア首位を維持してきたスマホと薄型テレビの不振だろう。