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日本の再成長への一手を読者と考える「目覚めるニッポン」。今回は昭和史研究の第一人者、保阪正康氏の提言。「ナショナリズムについて改めて考えるべき」という主張に賛同する意見がある一方、議論の難しさを指摘する声もあった。「ナショナリズム」と経済の関係は? そもそも、その言葉が意味するものは何か。議論を深めていく必要がありそうだ。

平成が終わり令和に入った日本が今、取り組むべき課題は何でしょうか。

保阪正康氏
ノンフィクション作家、現代史研究家。1939年生まれ。同志社大学卒業。72年に作家デビュー。2018年に『ナショナリズムの昭和』で和辻哲郎文化賞を受賞。主な著書に『あの戦争は何だったのか』『平成史』『定本 後藤田正晴~異色官僚政治家の軌跡』など。
(写真=加藤 康)

 ナショナリズムについて改めて考えることだと思います。私たちは戦後からずっと、「ナショナリズム」という言葉を忌み嫌ってきました。戦争へと日本を突き動かした皇国史観に基づくナショナリズムが極めて異様で、「ナショナリズム=昭和10年代のナショナリズム」という構図が頭を離れなかったからです。しかし、逃げてはなりません。「私たちのナショナリズムは何か」を考えるべきなのです。

 グローバル化が進んでいる環境下で、ナショナリズムはどうあるべきかを理解して、諸外国との関係を築いていかなければなりません。相手の国にもナショナリズムが存在します。お互いのナショナリズムを尊重しつつ、共存していくのが日本の取るべき道です。