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中国、米国、日本に次ぐ世界4位の市場となったインドの自動車販売に強い逆風が吹いている。同国で約5割のシェアを持つスズキ子会社の7月の販売台数は、前年同月比で36%減となった。中国生産から撤退しインドに経営資源を集中させているスズキにとっては大きな誤算だ。

スズキがシェア首位のインドの自動車市場は金融不安などが影響し厳しい状況が続いている(写真=ロイター/アフロ)

 インド自動車工業会(SIAM)によると、2019年7月のインドにおける乗用車の販売台数は前年同月比約3割減の25万7656台。約10年ぶりの大幅な減少で最も打撃を受けるのが同国でシェア5割を握るスズキだ。

 調査会社マークラインズによると、スズキ子会社のマルチ・スズキの7月の販売台数は前年同月比36.3%減の9万8210台。落ち込み幅はタタ自動車など現地メーカーや現代自動車、トヨタ自動車を上回る。

 インドの自動車販売は5月の総選挙後に回復すると見られていたが、燃料価格上昇に金融機関による貸し渋りが重なり、むしろ逆風が強まっている。ノンバンクの債務不履行をきっかけに信用不安が高まり、自動車ローンを扱う金融機関の資金繰りが厳しくなっている。中小企業や個人がお金を借りにくくなっており、「商品をそろえられない自動車販売店が閉店するケースも出ている」(日本貿易振興機構=JETRO=ニューデリー事務所の古屋礼子氏)。