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中小企業向けの個人型確定拠出年金「イデコプラス」に関心が高まっている。きっかけは金融庁が報告書で示した「老後2000万円不足」問題だ。制度の定着には、積み立てる商品などの金融リテラシーの向上も欠かせない。

7月、キリカン洋行であったイデコの従業員説明会。質問も相次いだ

 「皆様が加入すると、会社から月額4000円の掛け金が出ます。そのため、1000円という少ない掛け金で積み立てを開始でき、税制優遇もあります」

 7月下旬、医薬品・医療機器販売のキリカン洋行(東京・港区)の会議室で従業員にりそな銀行の担当者が語りかけた。説明するのは、個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)の加入者に、中小企業が従業員とともに掛け金を拠出する「イデコプラス」についてだ。

導入事業者は増えている
●イデコプラス実施事業者の推移
出所:厚生労働省

 老後資金として平均2000万円必要だとする金融庁の報告書が物議を醸し、年金問題が改めてクローズアップされた。そうしたこともあり、社員の老後への不安軽減を念頭に、イデコプラス導入に注目する中小企業が増えている。ある金融機関の営業担当者は「2018年5月からスタートしたイデコプラスは、税制上のメリットもあって、もともと関心が高かった。そこに老後2000万円不足問題が起きて、導入を検討するところが増えている」と話す。

 イデコは、老後に向けた健全な資産形成を目的に個人が任意で加入する資金積立制度。原則60歳以上にならないと積立金を受け取れないが、計画的に老後資金を準備できる。