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中国人を中心とする訪日観光客による消費は化粧品など消費財関連企業を潤してきた。だが、個人ブローカーを取り締まる中国の電子商取引(EC)法の施行で、風向きは一変した。インバウンド消費の減少に苦しむ企業がある一方で、資生堂は堅調。明暗を分けたものは何か。

中国のEC法施行で代理購入の売り上げは大幅減に(写真=AP/アフロ)

 「大阪ではインバウンド(訪日外国人)による消費が前年同期比で2割ほど減った」

 小林製薬が8月2日に開いた2019年1~6月期決算の説明会。小林章浩社長は中国を中心とする訪日客の消費動向をこう嘆いた。同社の冷却シート「熱さまシート」や液体ばんそうこう「サカムケア」は中国で一時、日本で絶対に買うべき「神薬」として絶大な支持を集めた。だが、1~6月はいずれの製品もインバウンドによる売り上げを1~2割落とした。

 背景にあるのは今年1月に中国で施行された「電子商取引(EC)法」だ。中国では個人が日本で商品を購入し、中国のネット通販サイトやSNSで売りさばく「代購(代理購入)」ビジネスがさかんだった。中国政府は代購を手掛ける個人ブローカーを取り締まる目的でEC法を施行。その影響が一部の日本企業の業績に影響を与えている。