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中国税関総署が7月の中国の米国向け輸出額が前年同月比で6%減ったと発表した。マイナスは4カ月連続だ。互いに関税を掛け合う米中貿易摩擦が輸出を落ち込ませるが、その影響は地方経済にも広がり始めている。トランプ米大統領は9月に対中制裁関税「第4弾」の発動をちらつかせており、日本企業の警戒感も強まっている。

「最も貧しい地域」といわれてきた中国・貴州省。ビッグデータの博覧会などを通じて企業を誘致してきたが、持続的な経済発展には課題も

 米中貿易摩擦が中国経済をじわじわと疲弊させている。中国税関総署が8月8日に発表した7月の中国の米国向け輸出額(ドル建て)は前年同月比6%減と4カ月連続で前年実績を下回った。

 中米対立は間接的に地方経済に影響を及ぼす。例えば、中国本土に31ある省・自治区・直轄市の中で「最も貧しい地域」といわれてきた貴州省。貧困問題の解消に力を入れる中国共産党・政府の後押しを受け、2015年から毎年「中国国際ビッグデータ産業博覧会」を開き、ビッグデータ産業の振興を目指してきた。こうした取り組みに、IBMやマイクロソフトなど米国勢や、華為技術(ファーウェイ)や騰訊控股(テンセント)といった中国のIT(情報技術)・ネット関連企業が呼応、相次ぎデータセンターを建設するなどしている。

 だが、都市部でも路地裏に一歩入れば、ぼろぼろの家屋が目につくのが貴州省の現状だ。誘致した企業を成長に導かなければ、単なるハコモノの誘致に終わってしまう。