パナソニックが迷走している。2019年4~6月期連結決算では営業利益が44%減少した。力を注いできた車載事業や中国事業が悪化、テレビは予想以上の苦戦が続き、メキシコ工場は閉鎖する。津賀一宏社長がトップに立って8年目。稼ぎ頭の「主役」が見えないままだ。

<span class="fontBold">成長の柱に位置付けていた車載事業も苦戦しているパナソニック</span>(写真=つのだよしお/アフロ)
成長の柱に位置付けていた車載事業も苦戦しているパナソニック(写真=つのだよしお/アフロ)

 「いつもびっくりすることが異常な頻度で起こる。鈍感にならず、過敏にもなりすぎず、そのときそのときで、すばやく動けるようにしたい」

 7月31日に東京都内で開かれたパナソニックの2019年4~6月期連結決算の説明会。米中貿易摩擦に関する記者からの質問に梅田博和CFO(最高財務責任者)はこう答えた。だが、「びっくりすること」というのは、もしかすると、外部環境に限らず社内からも頻発しているのかもしれない。

 今回の決算は、「(売上高より)利益の成長を目指す」(津賀一宏社長)パナソニックにとってとりわけ厳しい内容になった。売上高は前年同期比6%減の1兆8911億円に対し、営業利益は同44%減の564億円、最終利益は同13%減の498億円と利益の減少幅が大きかった。5つある事業カンパニーの中では、20年にトヨタホームとの共同出資会社設立を発表したばかりの住宅事業を含むライフソリューションズ社のみが増益というのも皮肉だ。

各事業で損益が悪化
●パナソニックの4~6月期における事業別営業損益
各事業で損益が悪化<br /><span class="fontSizeXS">●パナソニックの4~6月期における事業別営業損益</span>
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 中国経済の減速などを背景に4~6月期決算で減益が相次いだ製造業。パナソニックももちろん、そうした要因はあるが、手痛いのは、稼ぎ頭に育てようとしていた「目算」が次々に狂ったことだろう。

 1つ目の狂いは、中国での想定以上の収益悪化だ。米中貿易摩擦など事業環境の先行きが危ぶまれる中でも「中国は成長市場であることに揺るぎない」(梅田氏)と重点市場に位置付けた。今年春からは現地の需要をより早くつかむため社内分社の「中国・北東アジア社」を設置、津賀社長の信頼が厚い本間哲朗専務執行役員をトップに据えた。

 ところが中国の4~6月期の売上高は同19%減。地域別で中国だけが減少率が2桁台と足を引っ張った。「(デバイスを扱う)インダストリアルソリューションズ社と、自動車関連の実装機が影響を受けた」(梅田氏)。米中貿易摩擦による輸出環境の悪化と設備投資の抑制の影響をまともに受けた格好だ。

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