全3054文字

「お手並み拝見」の携帯大手

 その援軍も今のところは容易に得られそうもない状況だ。

 KDDIの高橋誠社長は本誌取材に対し、東京23区内などでも楽天に回線を貸し出す可能性について「それはない」と否定。楽天の格安スマホ事業向けに回線を貸し出すNTTドコモの吉沢和弘社長も「携帯事業を自ら展開するのなら、当社から借りている(格安スマホの)回線を返すのが筋だ」とにべもない。

(写真=右:北山 宏一)

 楽天の三木谷浩史会長兼社長はかねて「インターネットを本業とする企業が携帯事業に参入するのは非常にエポックメーキングだ。今までにないネットワーク構造の携帯事業が世界で初めて誕生する」とぶち上げてきた。だが、大手の壁は大きい。楽天より前の新規参入事業者だったイー・アクセスは莫大なインフラ投資に耐えきれず、結局はソフトバンクが買収してしまい、3社寡占に戻ってしまった。

 「楽天が何をしてくるか分からない」(ドコモの吉沢社長)と警戒するように、新規参入があることは、競争を促進する上で大きな意義がある。楽天がスムーズにサービスを開始できるかどうかは、健全な国内携帯市場の発展にも関わる。業界では「そろそろ政府から内々に楽天支援の要請があるのでは」(通信大手幹部)との声まで出始めた。楽天は残り2カ月で必要な準備を終わらせることができるのだろうか。

タグ「時事深層」をフォローしませんか

経済ニュースを日経ビジネスならではの視点で深く読み解きます。フォロー機能を設定すると、「時事深層」タグが付いた記事が配信されると画面上で通知されます。「#時事深層」でフォロー機能を設定できます。

日経ビジネス2019年8月5日号 14~16ページより目次