今治造船が昨年受注した大型の原油タンカー船の建造を三菱重工業に委託した。2017年に両社が商船分野で提携した一環で、三菱重工にとり同クラスの建造は約6年ぶりとなる。三菱重工が製造の「下請け」となる厳しい選択を迫られた背景には、造船所の仕事不足があった。

<span class="fontBold">三菱重工は今治造船から商船の建造委託を受けた</span>
三菱重工は今治造船から商船の建造委託を受けた
   

 「下請けと言われても否定できませんよ」。ある三菱重工の関係者は今回の建造委託をこう表現する。

 今治が建造を委託する船は、18年にギリシャのナビオスグループから受注した31万トンクラスの大型原油タンカー船4隻のうち1隻。三菱重工の子会社、三菱重工海洋鉄構の香焼造船所(長崎市)で建造し21年秋に竣工を予定する。三菱重工が同クラスの原油タンカー船を建造するのは約6年ぶりだ。

 三菱重工は今治や大島造船所、名村造船所といった専業メーカーと17年に商船分野で業務提携した。新型船や新技術の開発・設計・建造で協力するほか、各社が持つ建造能力の活用などが柱だ。当時、三菱重工幹部は「建造コストの安さでは専業メーカーに勝てないが、設計技術では当社に強みがある。当社が図面を売り、専業が高付加価値の船を建造すればお互いメリットはある」とその狙いを話していた。関係者によると、提携の効果は一部では出ていたという。

 しかし今治が開発設計した船を三菱重工が建造するというのは、基本的には想定していなかったケースだ。持ち掛けたのは三菱重工だという。背景にあるのが造船不況だ。

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