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7月16日、みずほフィナンシャルグループ(FG)の新システムが全面始動した。過去2度の大規模システム障害の教訓からシステムを一本化したが、他のメガバンクは既に対応済み。3行合併の際、打ち出した「対等の精神」が出遅れの原因とされる。それは日本企業共通の課題でもある。

システム統合作業によるサービス休止前、ATMには列も

 出遅れは取り戻せるのか──。

 みずほフィナンシャルグループ(FG)が2003年に発足して16年。傘下銀行のシステムがようやく統一された。ATM(現金自動預け払い機)での入出金、口座管理など銀行の業務を支えるシステムはこれまで、みずほFG傘下のみずほ銀行とみずほ信託銀行で分かれており、みずほ銀の中でも旧みずほ銀、旧みずほコーポレート銀行(CB)で異なっていた。

 バラバラだったのは、第一勧業、日本興業、富士の旧3行が統合して誕生したみずほの「対等の精神」を引きずったからだ。みずほは02年4月、旧3行が合併し、旧みずほ銀と旧みずほCB(13年にみずほ銀と合併)の2行体制から始まった。

 システムはその銀行が歩む歴史とともに進化し、銀行のDNAともいわれる。みずほは合併後の行内融和を意識し、3行対等を尊重したことから、各行のシステムを併存させたまま営業をスタートした。ところが、それが一因となり、営業初日に二重引き落としなどシステム障害が発生。さらに11年3月の東日本大震災直後、ATMの利用ができなくなるなどのシステム障害を起こした。いずれの事案も金融庁から業務改善命令を受けた。

 そうした反省から、みずほFGは11年5月、みずほ信託を含む傘下銀行のシステムを新システムへ一本化する方針を決めた。4000億円台半ばの巨大なコストをかけて開発。18年6月に新システムへの移行作業を段階的に開始、この7月16日に作業を終えた。みずほによると、新システムは、安全性が向上し、スリム化・効率化によって商品開発コストを3割減らせるという。

日経ビジネス2019年7月22日号 16ページより目次