全て円資産で運用する投資信託が人気を集めている。世界経済の不透明感が増幅する「円高リスク」を個人投資家が意識し始めたためだ。米国の利下げで日米の金利差縮小も想定される中、投資資金の振り向け先に頭を悩ませることになりそうだ。
投資信託の人気商品に異変が起きている。東京海上アセットマネジメントが運用する「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)」が6月末、追加型株式投資信託(ETF除く)の純資産残高4位と順位を上げた。
同ファンドは組み入れ資産の7割を国内債券、市況の変化に応じて最大3割を日本株式およびREIT(不動産投資信託)に投資する。全て円資産のため「円奏会」と呼ばれているが、「株高で沸いた2017年は資金流入が少なかった」(業界関係者)と注目度は低かった。それが、個人投資家に人気の「ひふみ投信」(運用はレオス・キャピタルワークス)を上回ったのだ。
「保守的な客が購入」
日銀の低金利政策が続き、十分な利回りを確保できない運用環境が続く中、資産運用各社は相対的に利回りの高い外貨資産を組み入れた投信の販売に力を入れている。国内資産のみ組み入れた投信が上位に入るのは珍しい。
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