スズキの株主総会で、鈴木修会長の取締役選任への賛成比率が65.9%にとどまった。議決権行使助言会社が再任反対を表明していないにもかかわらず、前年の93.2%から大きく低下。検査不正を繰り返すなどガバナンス上の問題が顕在化したことで、一部投資家が「NO」を突き付けた。

 スズキが7月1日に関東財務局に提出した臨時報告書は衝撃的な内容だった。同社の定時株主総会で、鈴木修会長の取締役選任に対する賛成率が65.9%にとどまったのだ。前年の93.2%から大幅に低下し、鈴木俊宏社長の賛成率も69.9%と7割を下回った。

 カルロス・ゴーン元会長の一連の問題の責任を問われ、インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)など議決権行使助言会社が再任に反対した日産自動車の西川広人社長は賛成率78%を確保した。過去5年のROE(自己資本利益率)が低いことを理由にISSが反対に回った武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長兼CEO(最高経営責任者)は同84%だった。

鈴木修会長には厳しい目が注がれている
●株主総会における取締役選任議案での賛成率
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 7割以下の低い賛成率は、スズキの経営体制に対する株主の危機感を反映している。6月27日の株主総会では冒頭、俊宏社長を含めた経営陣が頭を下げた。2016年に発覚した燃費の測定不正に続き、今年4月には新車の完成検査のデータを書き換える不正が明らかになったためだ。

 出席した株主からは不正後の検査体制についての質問はあったものの、修会長の退任を求める声は少なかった。ある株主は「スズキへの危機意識は修会長が一番持っている」と述べるなど、今年で89歳となった修会長を応援する発言が目立っていた。

 しかし機関投資家の一部は違ったようだ。ある国内証券アナリストは「助言会社は反対を表明しなかったが、修会長が退任すべきと考えた機関投資家が再任反対に自主的に回ったのだろう」と分析する。

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