6月末に大阪で閉幕したG20サミットを、議長として大きな混乱なく取り仕切った安倍首相。多国間協調の壁に直面する中、主要国・地域の結束を示し、2国間会談でも一定の成果を上げた。外交で「見せ場」を作り、ほぼシナリオ通りの展開で参院選に臨む与党に対し、野党はどう挑むのか。

米中は大阪での首脳会談で貿易協議の再開で合意した(写真=AFP/アフロ)

 6月28~29日、初の日本開催として大阪市で開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)。晴れの舞台でホスト役を演じ、目前に迫る参院選に弾みをつける──。日本外交の存在感を示すと同時に、安倍晋三首相が思い描いていたのはそんなシナリオだった。

 実は、参院選を念頭に置いた「仕込み」は今から2年前、2017年の春から始まっていた。19年のG20サミットの日本開催が事実上固まると、安倍首相は開催時期を19年夏の参院選直前に設定する方針を早々に決めた。19年の参院選は春の統一地方選と重なることなどから自民党の苦戦が予想されており、直前の外交成果で勢いをつけようという思惑からだった。

 目玉案件と想定したのがその当時、「国交正常化以来最悪」と評された中国との関係改善だった。安倍首相は手始めに17年6月、中国が主導する「一帯一路」に条件付きで協力する姿勢を表明。その後、経済分野を軸に中国との距離を縮め、18年10月、日本の首相として7年ぶりとなる中国公式訪問にこぎ着けた。

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