ルネサスエレクトロニクスの呉文精氏が社長兼CEO(最高経営責任者)を辞任した。業績悪化を問題視した指名委員会が交代を推奨しており、事実上の解任と受け止められている。引き金は「国内軽視」の経営という。基幹産業だから支援したはずだという経済産業省の不満がにじむ。
「今後の経営トップとして指名委員会の期待を満たしていない」「早期交代が必要と判断した」。呉前社長の交代を発表した6月25日付のルネサスの発表文には厳しい言葉が連なった。決めたのは任意設置の指名委だ。だが33.4%をルネサスに出資する筆頭株主のINCJと、INCJを子会社とする官民ファンドの産業革新投資機構を所管する経済産業省の意向が背景にある。
解任に向けた動きは昨年末から始まったようだ。人員整理に対する社内の不満が指名委に伝わったのがきっかけという。ルネサスは2018年10~12月期、19年1~3月期と2四半期連続の最終赤字になり、19年の初めにはグループ従業員の約5%に当たる1000人規模の早期退職の募集を決めた。産業革新機構(現INCJ)が支援する直前の12年3月末に4万人以上いた従業員数は構造改革を繰り返したことで半分以下になっている。
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