5月の工作機械受注額は1085億円。好不調の目安「1000億円」を上回っており悲観ムードはない。ただ機械単体から「システム提案」へと売り方が変わり、「1200億円が適正ライン」との指摘も出始めた。仮に1200億円をラインとすれば市場には黄色信号がともっている可能性がある。

2018年10月以降、前年実績を下回っている
●工作機械の受注額の推移
2018年10月以降、前年実績を下回っている<br /><span>●工作機械の受注額の推移</span>
出所:日本工作機械工業会統計
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 「良くないニュースが多かった中で、受注には底堅さもうかがえる」。6月20日、5月の受注額(確報値)を発表した日本工作機械工業会(東京・港)の幹部は前向きなコメントを残した。5月の受注額1085億円は前年同月比27.3%減。市場の好不調の目安とされ、国内の工作機械メーカーが利益を確保できる水準とされる「月間1000億円ライン」は上回った。

 市場環境は不透明だ。工作機械の受注額は2018年通年では過去最高を更新したが、18年10月以降、8カ月連続で前年割れが続いている。米中貿易摩擦の影響で設備投資を様子見する動きから中国向けが急減速している。様子見ムードは国内にも広がっている。

 それでも業界内に悲観的な見方が少ないのは、18年の実績が高水準だったことに加え、5月の受注額が1000億円ラインを上回っていたため。ある大手メーカーの幹部は「設備投資の動向は空気感も影響する。1000億円を超えていれば不調ではないというムードは保たれる」と話す。

 しかし、別の大手メーカー幹部はこう疑問を投げかける。「1000億円の目安は一昔前の話。今は1200億円ぐらいが妥当ではないか」

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