政府が昨年来検討してきた、携帯電話料金の値下げに向けたルール案が固まった。いわゆる「2年縛り」を途中で解約する際の違約金上限を1000円とすることなどが柱だ。事実上、「縛り」の意味がなくなる大手からは不満の声も出るが、官邸の出方を読み違えていた面もありそうだ。

<span class="fontBold">「1000円の論拠が薄い」と指摘する有識者も</span>(写真=共同通信)
「1000円の論拠が薄い」と指摘する有識者も(写真=共同通信)

 「10月に携帯事業に参入する“楽天シフト”を政府は狙っているのだろう」

 6月18日、携帯電話の競争促進と消費者保護に向けた新たなルールを議論する総務省の有識者会議。参加した委員の一人が指摘するのは、この日固まった新ルール案の中身についてだ。

 総務省が10月の施行を目指す新ルールは、通信料による利益を原資に端末代金を安く見せる「セット割引」と、契約から2年以内の解約に高額の違約金を課す「2年縛り」の見直しが骨子だ。

 セット割引は通信料金と端末代金のどちらにいくら払っているのかが分かりにくく、それが携帯電話料金の高止まりを招いていると指摘されてきた。大手が中途解約者に9500円の違約金を課す2年縛りは、顧客流動性を妨げているとされる。こうした商慣習に歯止めをかけ、大手3社による事実上の寡占を崩すのが狙いだ。

 まずセット割引について、通信契約を条件にした端末の値引き額を一律2万円までに規制する。これまでは上限がなく、米アップルの「iPhone」のような高価端末を大幅に値引き販売できた。それによって最新型のiPhoneなど人気端末を取り扱う大手は、格安スマホ勢の追撃をかわし、自らに有利な競争状況に持ち込むことができた。

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