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25日の日産自動車の定時株主総会を前に、日産と仏ルノーの間の緊張感が高まっている。指名委員会等設置会社への移行を決める議案で、ルノーが決議への棄権をほのめかしたためだ。統治改革は日産の西川社長が肝煎りで進めてきただけに、両社の確執は総会後も引きずりそうだ。

微妙な駆け引きを演じる日産の西川社長(左)とルノーのスナール会長(写真=左:Nicolas Datiche/アフロ、右:Bloomberg/Getty Images)

 「日産をグリップしてほしい」。ルノーのジャンドミニク・スナール会長は6月初旬、仏政府高官からこう諭されたという。欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)から経営統合提案を受けていた最中のことだ。

 FCAとルノーの間では「筋書きはある程度固まっていた」(関係者)。しかし3日、日産の西川広人社長が「実現すれば、日産とルノー両社の関係の在り方を基本的に見直していく必要がある」とけん制したことで流れが変わった。

 このコメントは、FCA側の条件に不満を抱えていた仏政府にとって渡りに船となった。日産とたもとを分かつことになっては本末転倒という理屈が立つからだ。仏政府代表者が5日のルノー取締役会で正式協議入りの採決を渋ると、FCAは即座に提案を取り下げた。