仏ルノーと欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)との経営統合構想が白紙に戻った。ルノー筆頭株主のフランス政府が統合検討を渋ったことを受け、FCA首脳が即座に決断した。両社は「復縁」を模索しているとされ、株主総会を控えた日産自動車への揺さぶりが激しくなりそうだ。

<span class="fontBold">統合交渉を主導したFCAのエルカン会長(右)はマクロン大統領(左)率いる仏政権の介入を嫌い撤回を決めた。</span>(写真=左:AP/アフロ、右:ロイター/アフロ)
統合交渉を主導したFCAのエルカン会長(右)はマクロン大統領(左)率いる仏政権の介入を嫌い撤回を決めた。(写真=左:AP/アフロ、右:ロイター/アフロ)
   

 「会社同士では握れていた。仏政府の壁が思ったよりも高かった」。FCAがルノーへの統合提案を取り下げた6日、交渉関係者はそう言ってため息をついた。FCAによるルノーへの経営統合提案からわずか10日。仏政府の煮え切らない態度に、FCAのジョン・エルカン会長はあっさりと撤回を決めた。

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