トランプ米大統領が対中制裁を強める狙いは、中国のハイテク化にブレーキをかけることにある。そんな技術を巡る覇権争いに翻弄されるのが、半導体製造装置業界。中国需要に期待していた東京エレクトロンも経営目標の達成時期を先送りした。

「半導体業界は一時的に調整局面にある」。こう認めるのは5月28日に経営方針説明会に臨んだ東京エレクトロンの河合利樹社長だ。同社はその前日、2021年3月期に「売上高1兆5000億~1兆7000億円、営業利益率26.5~28%」としてきた経営目標の達成時期を「5年以内」に先送りすると発表した。
19年3月期に売上高1兆2782億円、営業利益率24.3%だった東京エレクトロン。半導体や液晶ディスプレーを製造するのに欠かせない装置を幅広く手掛ける同社からすれば、それほどチャレンジングな経営目標だったとはいえない。
だが、前提が崩れた。河合社長は「米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱で不確実性が高まっている」と説明する。「(次世代通信規格の)5GやAI(人工知能)などが新たな半導体需要を生む」と言うものの、中国需要の先行きが見えにくくなったことは誤算だった。
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