経営再建中のスルガ銀行と家電量販のノジマが業務提携を発表した。ともに神奈川県に地盤を持つ両社だが、具体策は「これから詰める」(ノジマ)段階と、説明の歯切れが悪い。かつてプロ野球球団の買収に名乗りを上げるなど、ユニークな経営で知られるノジマの狙いが見えない。

<span class="fontBold">神奈川を地盤に店舗網を広げている(相模原市の店舗)</span>
神奈川を地盤に店舗網を広げている(相模原市の店舗)

 5月15日にノジマとスルガ銀行が発表した業務提携の基本合意は、字面では体裁が整ったものだった。クレジットカードの共同事業化や対面・ネットを利用した金融サービス向上、フィンテック事業の共同展開を検討するという。ノジマは現在、スルガ銀株を4.98%保有しており、業務提携の効果次第では追加の取得も検討するとしている。

 しかし家電量販業界を担当するアナリストは一様に首をひねる。「ノジマの狙いが全く理解できない」「銀行とは唐突過ぎる」。ノジマの家電の店舗は関東のほかは静岡、新潟などに限られる。弱者連合になる金融業のメリットが見いだせないと専門家はみている。

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