がん免疫薬「オプジーボ」や血液がん治療薬「キムリア」など高額医薬品の登場が相次いでいる。だが、日本では今後、こうした画期的な新薬の市場投入が遅れる懸念が出ている。製薬会社が薬価の引き下げ圧力が強まる日本を新薬開発の投資先として避けようとしているのだ。

<span class="fontBold">画期的な新薬の製造原価は高くなる傾向に</span>(写真=Comezora/Getty Images)
画期的な新薬の製造原価は高くなる傾向に(写真=Comezora/Getty Images)

 日本でいくらの値がつくのか──。製薬業界がこう注視する新薬がある。スイスの製薬大手ノバルティスが開発した血液がん治療薬「キムリア」。米国で1回の投与で5000万円超の値がついた新薬の国内価格を、厚生労働相の諮問機関が今月末にも決める。薬価は米国と同水準となる公算が大きいが、薬剤費を原則、公的医療保険で賄う日本では財政悪化懸念が深まる。このため、いずれ薬価は引き下げられる、との見方が製薬業界にはある。

 小野薬品工業が2014年に販売したがん免疫薬「オプジーボ」がそうだった。当初は100mg約73万円という価格だったが、仮に1年使用すると3000万円以上かかると試算され、薬価は段階的に4分の1まで引き下げられた。

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