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2019年「春闘」の集中回答日を迎え、自動車・電機大手のベアが前年を下回った。昨年までの「官製春闘」は終焉し、働き方など人材活用が焦点となった。多くの業界が変革を迎える中、春闘はその役割を終えつつある。

(写真=共同通信)
賃金だけが争点ではない
●主要各社の今春闘の賃上げ以外で合意・確認した主な内容
企業名内容
トヨタ自動車定年前と役割・処遇がほぼ変わらない再雇用者のさらなる拡大、高卒・高専卒の昇格適正化など
日立製作所キャリア形成支援の強化、自己啓発支援の強化など
NECフレックスタイム制度のコアタイムを10月に廃止。いつでも出社、退社、中抜け可能に
富士通勤務終了から翌日始業まで10時間を確保する勤務間インターバル制度を6月に導入

 3月13日に主要企業の集中回答日を迎えた、2019年の春季労使交渉(春闘)。政府が数値目標を掲げて賃上げを主導する「官製春闘」の側面が薄れた今回は、自動車・電機大手などで賃上げ率が前年を下回った。中国など世界景気の不透明感から、コスト抑制を強める企業の姿勢が目立った。

 その筆頭がトヨタ自動車だ。ベアや定期昇給、手当などを含めた平均昇給額は組合員平均の月額1万700円で決着。要求額の1万2000円、前年実績の1万1700円を下回った。賞与の回答は夏季のみで、冬季は継続協議で合意するなど、経営側の慎重姿勢が浮き彫りになった。