当初設定したEU離脱日の直前まで迷走する英国。愛想を尽かした企業は次々と拠点を移している。メイ首相が合意なき離脱を回避できたとしても、EUとの新たな通商関係の構築には時間がかかりそうだ。英国の混迷を前に、日本を含めたグローバル企業の投資意欲の減退を招く恐れがある。

<span class="fontBold">「私の案か、合意なき離脱か」とメイ首相は議会に迫ったが……</span>(写真=AFP/アフロ)
「私の案か、合意なき離脱か」とメイ首相は議会に迫ったが……(写真=AFP/アフロ)

 2016年6月23日、英国が国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決定してから2年9カ月が経過した。その離脱日として当初設定していた19年3月29日の直前になっても、具体的な離脱プロセスを巡って迷走が続く。本稿執筆時点で結論は出ていないが、明白になったのは、グローバル企業の英国敬遠の流れと世界における英国の地位低下が加速したことだ。

 これまでメイ英首相は昨年11月にEUと合意した離脱案にこだわってきた。EUと意見が食い違うアイルランドとの国境問題の回避策として、英全土をEUの関税同盟に残すことを含めた穏健な離脱案だ。当初は昨年12月が議会採決の期限と見られていたが、メイ首相はまとめきれず、ズルズルと今年3月まで採決を遅らせてしまった。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り924文字 / 全文1385文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

世界の頭脳に学ぶウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。