今年で17回目を迎える「日本イノベーター大賞」の表彰式が開催された。日経ビジネス創刊50周年に合わせ、スタートアップを取り上げる枠組みなどを新設。受賞者の世代を超えて共通するのは、革新を生み出す揺るぎない思想だ。

 2月26日、第17回「日本イノベーター大賞」(主催:日経BP社、協賛:エプソン販売、野村ホールディングス)の表彰式が都内で開かれた。大賞は、無印良品を展開する良品計画の金井政明会長。日経xTECH賞に輝いた81歳(表彰式時点)の島精機製作所の島正博会長から、バーチャル空間で2016年に誕生した日経クロストレンド賞のキズナアイ氏(代理人の大坂武史Activ8代表は33歳)まで、幅広い世代の変革者が集結した。

 「感じ良いくらし」を提唱する領域を日用品からホテル、地域活性化などにも拡大している良品計画。金井氏は、フィンランドで20年の実用化に向けて実証実験に取り組む自動運転バスのプロジェクト「GACHA(ガチャ)」を披露しつつ、「資本の論理だけでは新しいデジタルの社会は乱れてしまう」と、イノベーションと社会との接点を常に見失わないように警鐘を鳴らした。

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