ビール大手2強、アサヒグループホールディングスとキリンホールディングスが中期経営計画を発表した。キリンが健康領域に積極投資をするのに対し、アサヒは既存ブランドを強化する方針だ。方向性が「攻め」と「守り」に分かれた両社の戦略。背景には世界全体で進むビール離れへの対応の違いがある。

<span class="fontBold">中計を発表したキリンHDの磯崎社長(左)と、アサヒグループHDの小路社長</span>
中計を発表したキリンHDの磯崎社長(左)と、アサヒグループHDの小路社長

 「将来の成長事業を立ち上げて、会社の構造を大きく変える」。2月14日に開いた決算説明会でこう宣言したのはキリンホールディングス(HD)の磯崎功典社長だ。発表した2019~21年の中期経営計画では、健康事業を中心とする新規事業に3000億円を投じることを明記した。既存事業の増産や研究設備などへの投資を含めれば、投資規模は計1兆円。「これまでの改革でキャッシュを創出する力はついた。この勢いをますます強くしていきたい」と磯崎社長は「攻め」の姿勢を見せつけた。

 対して「守り」を固めるのはアサヒグループホールディングス(HD)だ。同社も同じ日に中計を発表したが、高付加価値ブランドの育成を柱にした。主力の「スーパードライ」や買収した欧州ブランドの「ペローニ」というビールを強化する内容だ。原価低減にも取り組み、3年間で300億円以上の収益構造改革を実施するという。M&A(合併・買収) 戦略について、小路明善社長は「ビール事業を拡大するためのM&Aは検討したい」と言うにとどめた。

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