新日鉄住金は今年4月、「日本製鉄」に社名変更する。その初代社長が橋本英二氏に決まった。同社は歴史的に東京大学を卒業した人物が社長を務めていたが、その伝統が変わりつつある。「異例」の人事は新日鉄住金だけに限らない。多くの名門企業で「東大閥」が崩れ始めた。

<span class="fontBold">進藤社長(左)は1973年、橋本副社長(右)は79年に一橋大学を卒業。両氏ともに旧新日本製鉄に入社</span>(写真=Kyodo News/Getty Images)
進藤社長(左)は1973年、橋本副社長(右)は79年に一橋大学を卒業。両氏ともに旧新日本製鉄に入社(写真=Kyodo News/Getty Images)

 「行動力があり、海外で多くの交渉を経験した点を評価した」。新日鉄住金の進藤孝生社長は、後任に橋本英二氏を選んだ理由をこう語った。同社は4月1日、「日本製鉄」に社名変更する。その初代社長となる人物である。

 橋本氏は自動車用鋼板や建材の輸出で実績を積んだ、海外事業の「エース」だ。持ち分法適用会社のブラジル鉄鋼大手、ウジミナスの経営権を巡る争いでは最前線で対応。3年半かけて和解に持ち込んだ。鉄鋼世界最大手アルセロール・ミタルと共同で実施する、インド鉄鋼大手エッサール・スチールの買収も副社長として進めた。

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