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在庫消化の手段として定着

 ただ、裏を返せばゾゾはファッションリーダーが集まるサイトから値引きサイトへと性質が変わっている実態が浮かぶ。「アウトレットに出店できない小規模アパレルはゾゾが在庫処分の重要な手段」(大手アパレル役員)。アダストリアもゾゾについて「在庫消化に利用できる側面もある」としている。

 ゾゾの平均商品単価は15年3月期に5628円だったが18年3月期には4206円まで下がった。出店ショップ数が増えて低価格商品の割合が高まっている。「アウトレット化」「量販店化」が進めば、独自の世界観を訴えるセレクトショップのような高付加価値企業にとって魅力が薄れていく。

出店社増で低価格品の割合が高まっている
●「ゾゾタウン」平均商品単価の推移

 ZOZOの18年4~9月期は「ゾゾスーツ」の無料配布などで営業利益が前年同期比27%減ったものの売上高は26%増。商品取扱高や年間購入者数は増え続けている。ゾゾで人気のブランド、ユナイテッドアローズも「出品取りやめは全く考えていない」という。

 同社は競合に先駆けてゾゾに出店し、人気ブランドの後追いを誘発して、ゾゾが飛躍するきっかけをつくった。しかし、直近ではZOZO子会社に委託してきた自社ネット通販サイトの開発・運営委託を他社に切り替えると報じられた。盟友の動き次第ではゾゾのプラットフォームとしての絶対性が薄れたという印象は強まるだろう。

 ZOZOの株価は半年で半値になった。女優との交際公開や月旅行、100人に100万円のバラマキと露出を増やす前澤友作社長の行動に焦りを読み取る向きは増えている。

(津久井 悠太)

2019年1月21日号 28~29ページより目次