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アパレル大手のオンワードホールディングスが衣料品ネット通販「ゾゾタウン」への出品を取りやめた。ゾゾの新たな割引サービスに対し、正価販売を重視して反発したためだ。ゾゾはアウトレットモールのように在庫消化に利用される側面もあり、低価格サイトへの道をひた走っている。

 2018年12月末、オンワードホールディングスはZOZOが運営するゾゾタウンへの出品を停止した。年額3000円か月額500円を払うとゾゾでの買い物が10%引きとなる会員制サービス「ZOZOARIGATO(ゾゾアリガトー)」の開始に反発したためだ。安売りは容認しないという明確な意思表示だった。

 年間700万人以上が利用するゾゾタウンは18年度の取扱見込み額が3300億円と、様々な売り手が集まるモール型の衣料品ネット通販としては圧倒的な規模を誇る。しかし出品企業が払う手数料は販売額の3割程度。ネット通販のノウハウを持たないアパレル各社は長くゾゾに依存しながらも自社直営サイトの規模拡大に力を注いできた。

 オンワードはその中でも立ち上げが順調で09年に始めた直営ネット通販「オンワード・クローゼット」は18年2月期にネット通販売上高203億円の75%を占めた。連結売上高は2431億円でゾゾへの依存度は小さい。ゾゾアリガトーの常時割引で直営通販サイトや実店舗の顧客を奪われるぐらいなら、出品を取りやめたほうがよいと判断した。

 オンワードの動きは潮流とは言えず、ゾゾに期待するアパレルは今も数多い。「ローリーズファーム」を持つアダストリアは「セールやクーポン発行を通じブランドの認知度を向上できる」としている。アウトレットモールにも実店舗を多く持ち、割引を活用した販売計画に積極的だ。

2019年1月21日号 28~29ページより目次