『「なりたい自分」になるシンプルなルール』
福田萌子著
1430円(税込) 幻冬舎

恋愛リアリティー番組に、男性から求愛される女性の立場で出演した著者が、自信がなかった過去や自己肯定感を高める方法を明かす。

 モデルとして長いキャリアを持つ著者。スポーツウエアがよく似合うのは、この人の日常生活が異様に健康的だからだ。空き時間があれば、とにかく走る。10km、20km走るのはごく普通。自転車が大好きで、ロードレーサーで旅行に出かける。マウンテンバイクで山を登って下りてくる──。活動の種目でいえば、これほど気が合わない人も珍しい。僕としては、現世はもちろん、来世でもこの手のことをしたくない。ところが、本書にある価値観や生活信条を知ると、なかなかにして気が合うことが判明した。

 タイトルにあるように、著者のルールは至ってシンプルだ。ようするに、スローに生きる。達成や成功を急がない。何事にもゆっくり構える。自分のペースでじっくりいく。いい時も悪い時も(もちろん悪いことのほうがずっと多い)ジタバタしない。欲望に対する速度が遅い──これが最も的確な「上品さ」の定義だと思うのだが、著者は言葉の正確な意味で上品な人だ。

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日経ビジネス2022年10月3日号 90ページより目次

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