
湯沢規子著
924円(税込)筑摩書房
日本や海外のトイレ事情、排せつ物の有効利用、下水処理など、社会や環境、さらに生命の営みの問題を多面的に考察する。
海外から戻ってきた人に「トイレどうだった?」と聞けば、何らかの珍しい体験談が出てくる。多様な食文化は日本にいるだけでも知ることができるが、食べた後にどう出すかについてはあまり情報が入ってこない。「衣食住」だけではなく「便」も加えて世界を見ようと試みる一冊が繰り返し疑問視するのは、ウンコの話を忌避する空気感である。
自分もそうだったが、子どもの多くはウンコの話が好きだ。「流す時にうんちに『ばいばーい』って手を振っていますよ」と、あるお母さんの談。身に覚えがある。その頃、ウンコは自分の体から出た分身でさえあったのに、いつの頃からか、ウンコの話をしなくなる。恥ずかしくなる。
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