『母さん、ごめん。2』
松浦晋也著
1760円(税込) 日経BP

50代独身男性の著者が母を自宅介護した2年の日々を描いた前作に続き、グループホームに預けてからの介護の実態をつづる。
ノンフィクション作家、科学技術ジャーナリスト。慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。宇宙開発をはじめ、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行う。(写真=大槻 純一)
ノンフィクション作家、科学技術ジャーナリスト。慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。宇宙開発をはじめ、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行う。(写真=大槻 純一)

前作から5年。お母様がグループホーム、つまり介護施設に入居されてからの体験ですね。

 実は、前作を書いたときは、介護施設に母を預けて「介護は終わったぞ」という、どこか明るい気分でした。しかし、実際は全然終わりじゃなかった。入居後も母のアルツハイマーの症状は進み、体も弱るので、病院に連れて行くなど、こちらの負担は増えていきます。もちろん施設にお世話になっているので、自宅介護のときのように限界を感じることはないのですが、3年前に大動脈瘤(りゅう)も見つかり、何かあったらすぐに駆けつけなくてはいけない日々は精神的にはきついものです。

 昨年秋、母は「看取り」の状態に陥りましたが、今は穏やかな状態で、介護は続いています。施設に預けても介護は終わらない。別の介護が始まる。それが今回一番書きたかったことです。

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日経ビジネス2022年8月8日号 80ページより目次

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