『危機の外交 岡本行夫自伝』
岡本行夫著
2420円(税込) 新潮社

党派を超えて信頼され、日本の外交の最前線で難題に取り組み続けた著者。世界が転換期にある今、意味を増す1冊。

 岡本行夫が亡くなって2年たつ。新型コロナウイルスの流行初期における急逝であったため、準備をしての旅立ちではなく、あまりに早すぎる死だった。

 1945年11月生まれの彼は、戦争中でありながら、母和子が長男をおぶって軍務につく夫脩三をはるばる訪ねていったハルビンで命を授かった。和子はおなかの子どもを抱え、東京大空襲の熱風と炎の中を逃げ惑い、食糧難を生き延びる。敗戦後、戦地から帰ってきた脩三は変わり果てていたという。農林省の反戦分子だった脩三が徴兵され、一般兵卒として送られた先は731部隊であった。

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日経ビジネス2022年5月16日号 76ページより目次

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