
小泉悠著
2640円(税込) 東京堂出版
ロシアによるウクライナ侵攻の前に、その勢力圏拡大の狙いを指摘した書籍として話題に。「大国」であろうとするロシアの戦略とは。
2019年に出版された本書の著者、小泉悠氏は目下のロシア=ウクライナ戦争の的確な分析で知られている。小泉氏はロシア「帝国」の国境を浸透膜に例える。ロシアにおける国境の概念とは、ロシア民族、あるいはスラブのベラルーシ人とウクライナ人という広がりにまで染み出してしまうと。さらにソ連崩壊によって、どこまでをロシアと捉えればよいのかという迷いが深まったことも無視できないと指摘する。「ソ連崩壊によって『ロシア的なるもの』は国境で分断され、新たに出現したロシアの国境内には『非ロシア的なもの』が抱え込まれることになった」結果、地政学とアイデンティティーがほとんど判別不能な形で癒着することになったという。
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