
スー・スチュアート・スミス著、和田佐規子訳
3520円(税込) 築地書館
著者は精神科医。ガーデンデザイナーの夫と庭づくりを始めたことで、 自然と庭と人間の精神がつながっていることに気づく。
京都に越してから、とてもすてきなご夫婦と親しくなった。お二人は有機菜園を耕しながら、エネルギーを最大限自給する循環型の暮らしを営んでいる。広大な敷地に約200種1000本の樹木を苗から植えるなど、長い年月をかけて、自分たちの理想郷をつくり上げたのだ。
木々は今や立派に育ち、鳥たちが集うサンクチュアリとなっている。「木蓮の花が咲いたから、お茶を飲みにいらっしゃい」。そんなお言葉に甘えてここで過ごす時間は、私にとってもかけがえのないものだ。
コロナ禍の制約だらけの生活に多くの人が息苦しさを感じているが、ご夫妻の日常に変わりはない。薪(まき)を割り、落ち葉で堆肥をつくり、畑を耕す。80歳を過ぎたご主人には重労働に思えるが、体を動かしているからこそ健康でいられるのだろう。
その効用は肉体面にとどまらない。本書によれば、庭仕事は心のありようにも深く関与しているという。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り978文字 / 全文1478文字
-
【春割】日経電子版セット2カ月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
【春割/2カ月無料】お申し込みで
人気コラム、特集記事…すべて読み放題
ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「CULTURE」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?