『推しエコノミー』
中山淳雄著
1980円(税込) 日経BP

一時期は世界をリードしていた日本のエンタメ。その盛衰と復活のカギについて、米中の対立など地政学的な視点も含めて読み説いていく。

 端的に言えば、この本は紛れもなく、自己啓発本である。いや、“日本啓発本”とでもいうべきか。

 たしかに、『鬼滅の刃』や『ポケモン』、ゲームなどのメガヒットをわかりやすく、図表を使い、一目瞭然化しているところに、この本の大きな価値があるが、それらはあくまで、“素材”にすぎなかったことを、最終章で思い知ることになる。

 エンタメの、“萌”から“推し”に経済圏が推移する中で、日本のエンタメ業界、ひいては日本経済は、世界でどう戦い、どう勝ち、そして、どう破れてきたかが描かれている。世界のエンタメが巨大な資本に統合される中で、日本で奮戦したのは、まずはハリウッドの一角を買ったSONYだけだった。

 途中から、この本は、弱き日本を主人公とした経済のヒーローズ・ジャーニーと読めるようになる。

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日経ビジネス2021年12月27日・2022年1月3日号 117ページより目次

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