
鈴木忠平著
2090円(税込)文芸春秋
異端と言われながらも卓越したマネジメント力を発揮した監督の8年間をつづる。組織運営、人材育成の書としても参考になる点が多い。
本書は、中日の選手や球団関係者が、いかに落合博満監督によって変化させられたかを描く。第1章の川崎憲次郎から泣かされる。この章には、その後に続く章に通底する落合の愛情と非情が流れている。
川崎は、かつて主力投手だったが、肩を痛め二軍暮らしを続けていた。その彼が落合から「開幕投手」を告げられる。「やれるか」と問われ、「いけます」と本能的に答えたが、「なぜ俺なのか」と深い疑問にとらわれる。選手時代の落合とは何度も対戦したが、どうしても心が読めなかった。監督としての落合の心も読めない。落合は、川崎に開幕投手のことは妻以外の誰にも言うなと口止めする。開幕までの3カ月、彼は落合の心を読もうと自問自答し、ある答えにたどり着く。
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